ロマンティックこんがらがってる

まるです。小森隼さんのこと | 🕊@superMC_8810

あした卒業するあなたへ

あした卒業するあなたへ

 

2年間金曜日のお昼を生きたあなた、

明日その大切な場所から巣立つあなたへ

 

 

明日のこの頃、あなたはもうそこには居ないのです。笑って、悩んで、顔を上げて、偶に空すら飛んでみたり、そうして豊かに話し続けたその席には、さよならの名残がぽつりと残されているのです。そんなこと考えてしまう今、遠くのあなたはどんな気持ちなのでしょうか。

 

わたしは、とても寂しいです。

 

さよならの前夜は金曜日のお昼を生きたあなたのことが好きな、救われてきたわたしの話をさせて下さい。

 

忘れもしないあなたがアシスタントレギュラーとしてはじめて迎えた生放送の日、春の中の日のこと。御祝いの気持ちを込めてあなたの大好きなコーヒー屋さんのコーヒーを淹れて、カップにはまだ背伸びしきれずめいっぱいのお砂糖とミルクと共に。片手に抱えてどきどきと13時を待った。あの日の私はまだ大学4年生だった、まだなんにも頑張れてやいないのんびりとして生きていた学生。これからこの金曜日のお昼にどれだけ救われて生きていくなんて知らなかった。

 

「あなた」がどれだけ素敵だったか伝えたいけれど、今夜は「わたし」を貫いていきたい。

 

緊張色のあなたの声に「頑張れ」「大丈夫よ」なんてひとり呟きながら聴いてたこと。「頑張れ」って無責任な言葉だとわたしは思っていて、だから綴り言葉にする時は使いたくは無いのに、ぱっと口に出てしまうあたり馬鹿だなあと自分でも笑っちゃう。ただ私が意固地なだけで、「頑張れ」は多分1番短い祈りなんだろうなと思う。

リビングのソファで少し日が落ちかける頃までどきどきするあなたの声を聞き続けた。嬉しかった、楽しかった、全てが宝物だった。「涼太くんも応援ますよ」って、そんなわたしの言葉が届いた時の「嬉しい」なんてあなたの声が好きだと思った。この日流れたaikoさんのうた、それから暫くよんぱちで流れ続けたけれど、今でも私の中の大切なうたとして生きてる。

 

この日から全て、全てはじまったのね。

 

友人達と遠出した時にひとりイヤホンで聴いてたこと、誰ひとり咎めたりせずに付き合ってくれたな。講義が無い金曜日でも、あなたの声を聴く為にワンピースに着替えて身支度を整えて、ひとりリビングでどきどきしてた。密やかにあがる卒論の話にうんざりしながら、それでも近付く13時にはどんなやなことだってほぐれる魔法が掛かってた。あなたが頑張る声を外で聴きたくて、車でコーヒーを飲みに出掛けた事も何度もあった。この頃からわたしのカフェラテから、ガムシロップがさよならしたことを覚えてる。

 

 

夏の真ん中、アシスタントから「ラジオパーソナリティ」になったあなたの眩しさ。パーソナリティとして最後の5時間生放送を終えて、はじめてのあなたの番組のジングルに「小森隼」の名前が聴こえた時、涙が止まらなかった。

どれだけ緊張したんだろう、どれだけプレッシャーだったんだろう。今も思ってる。

 

この夏から春にかけて、抱え切れない程大きく大きく変わったわたしの22年の人生に「彼の番組」はいつもあった。独りぼっちで涙が止まらなかった実習、言葉がひとつも追い付かない卒論、なんにも解けず「わたしだけ駄目だ」と毎日叫びたいくらい苦しくて泣いてた国家試験受験、否定されるのが怖かった就職活動。

今思えば笑えちゃうけれど、私には何かひとつでも躓けば終わってしまう茨の道で、毎日が怖くて怖くて仕方なかった。そんな日々の光、私が乗り越える力は、おさむさんの隣でのびゆく他の誰でも無いあなたの声だったよ。一緒に頑張るあなたが私の救いだった。

 

他のなんでもなく、あなたがわたしの頑張る理由だった。

 

公開生放送、届いた歌のこと、どきどきのあなたの声と優しさ、全部伝えたいけれど、やっぱり今夜は「わたし」の話をさせてね。

 

 

2019年の春のこと、はじめての「自分の番組」が終わる時、あなたはどんな気持ちだったろう。寂しかったかな。どうだろうってずっと考えてる。

私も全てが終わって、社会人としての新しい生活に踏み出そうとしていて、不安いっぱいのまま聴いてた最終回。「大袈裟かもしれませんが今までの人生の中で、1番に金曜日が大好きで大切で仕方ありませんでした」って、わたしの言葉をあなたはやさしく笑う様に読み上げたけれど、あれはわたしの本心なんです。知らなかったでしょ。

 

わたしが終わる時あなたも一度終わって、わたしがはじまる時あなたもはじまった。独りぼっちじゃないんだな、そう思えたから私は乗り越えられたんだと思う。

 

わたしが相談員になる春、あなたも相談員になった。夢みたいで、嘘みたいで、嬉しくって笑っちゃった事を今も覚えてるし、今もやっぱり嬉しくって誇らしい。独りぼっちのわたしを独りにしないでくれるのは、わたしのこと何にも知らないあなただなといつも思う。

 

ねえ大好きなあなた、知らなかったでしょ。

 

AWESOME RADIO SHOW.の最終回、あなたが大切に読んでくれた言葉を社会人になってからこの1年間、毎朝仕事に行く道で必ず聴いてたのよ。笑えちゃうでしょう、でも何者にも変え難い宝物だったんだよ。

 

社会人になってリアルタイムであなたが遠くで頑張るラジオで聴けなくなった日々、お昼の12時になった瞬間デスクでわたしはいつも小さく両手を組んでた。わたしの秘密のお祈り、今日も相談員さんなあなたにとってよい時間であります様にの気持ちを込めて。ただ大切に祈ったあの時間、私が生きる中で1番心がうつくしくなる瞬間だった。

小さく祈った後に啜るタンブラーには温かなブラックコーヒー、気が付けばお砂糖もミルクも傍から旅立ってた。あなたの好きなコーヒーが、はじまりのあの日はミルク色だったコーヒーが、気が付けば大好きになってた。

 

 

私は変わったけれど、なんにも変わらずずっとあなたを想っていたよ。だって大切なんだ、金曜日のあなたが。

 

あまりに大切で言葉がくちゃくちゃで、伝えたいことが伝え切れずに悔しい。ただ今まで救われたこと、救ってくれたという事実をどうか、どうか忘れないでいて。

 

親愛なる隼くん、ご卒業おめでとうございます。

私が変わらなきゃいけない時期に、変わろうとした時期に金曜日に居てくれてありがとう。

わたしは寂しいな、あなたも寂しいかな。あなたはわたしよりうんと寂しいだろうな。今まで救われて生きてきた金曜日にあなたが居ない事が怖くて、新しい春が来ないでほしいとも願ってしまうほど。けれどあなたはまたひとつ大人になるし、そんなあなたの一歩後ろでわたしも離れぬよう大人になっていきたいなと、そう思うのです。大好きなうたの一節、「友よ、別れゆく今日の、この切なさが愛した深さだ」って、今なら気持ちが涙が溢れそうなほどにわかる。

 

わたしはあなたの言葉が、声が好きだし、この先の未来でも、どれだけ皺が深くなっても、いつまでも好きなのだと思う。

 

あなたの最後の金曜日のお昼が幸せであるように、大切であるように、あなたと同じ相談員のわたしは変わらず12時の針と共に小さくここから祈りを贈ります。

 

きみにいいことがあるように

 

 

いつもあなたの幸せを願って居ます。